HiromiVoice

声で人を豊かにする、をビジョンに掲げるナレーター酒匂ひろみの日記

【おすすめ本】2020年12月〜2021年1月に読んだもの

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みなさんこんにちは、ひろみです。

今日は最近読んだ本のご紹介です。先日、こちらの動画でゆる〜く話したら

www.youtube.com

意外と反響がありまして、結構ニーズがあるのだなあと思ったのでブログにも書いておこうと思いポチポチしています。

一覧はこちら!YouTube内で紹介していない作品がひとつあります。一番最後の「おもかげ」です。とても良い小説でした。

 

「 82年生まれ、キム・ジヨン」チョ・ナムジュ

 韓国の女性アイドルがSNSで取り上げたことにより一気に有名になった本だそうです。昨年10月に映画化もされたようですね。

小説、というよりも、昔の韓国の様子、男女不平等の世界が具体的に淡々と描かれているのでまるで自分がその場にいてその時代の様子をまじまじと見せつけられているような感覚に陥りました。読んでいる最中はさほどだったのですが、読み終えると「衝撃的な余韻」とでも言いますか、もうずーっと心にズシッと残っているんですね。

内容はあんまりいうとネタバレになるのでこの後もちょこっとしかお伝えしませんが、1歳の母親であるキムジヨンさんがある日突然誰か(身近な女性たち)に乗り移られたかのような身振り口調をし出すところから始まります。その後場面はキムジヨンが生きてきた幼少期から社会人になるまでの描写に変わるのですが、いかに女性が不利な立場でがんばって生きてきたか、が淡々と静かな描写にも関わらず、ズシッとジーンと、ジワーっと心に入ってきます。

時代は確実によくなっている。読み始めた当初はそう思いましたが、終盤になってくると「まだまだ全然だな」と思いました。私自身現状で「だいぶ社会の価値観は変わったし、みんな生きやすくなっている」と満足?していることに気づかされました。

仕事も結婚も出産も育児も、どうして女性が諦めなくてはいけないの?

この質問に答えられる人はいないのではないでしょうか?だって諦める必要は本来はないのですから。

身体の作りが違うから、完全なる男女平等はあり得ないと思います。

「女性が活躍できる社会を唄うんなら、男性と同じくらい頑張れよ」

そんな声が聞こえてきそうな現代。そういうことじゃない。そんなこと言ったらキリがない。お互いの違いを尊重することから始めないといけない。でもその違いが何なのか、教育もされない我々に理解できるはずがありません。女性が動きやすい世の中に、いや、女性だけでなく自分らしく生きられる世の中にするために、まだまだやれることやっていかなければならないことがあるなと思い知らされました。

私ができることは僅かですが、自分たちの未来のためにそして子供達の未来のために。やって行こうという気持ちをもらいましたね。

 

「JR上野駅公園」柳美里

 全米図書賞を受賞されたこの本。NKHの夕方のニュースで特集をされていて、読んでみたい!とすぐさま書店へ向かいました。

読んだあと、とっても寂しい気持ちに包まれました。

1933年、高度経済成長の最中産まれた不運な主人公。福島県から出稼ぎに上京し、家族のために働き続け、定年後自らホームレスになる...。華やかな世界の裏側にどんな世界があるのか、どんな人たちがいるのか、家をなくす人々はどんな人生を歩んできたのか。

光の影を「想像すること」。今あることの裏側ってどうなっているんだろう?と気にかけること。その積み重ねが社会が本当の意味で「豊かになる」ことなんだろうと思いました。

結末は読者の想像に委ねられています。みなさんはどう想像されますか? 

 

「運命を変える鏡の本。」鎌田聖菜

 筆者の思いがぎゅっと詰まった優しい本です。

鏡をどう見るか、どう使うかという解説本って私は初めてでした。鏡学カウンセラーである筆者が、ヒト・モノ・コトという3つの鏡を通して自己を知り、運命を変えていく...一見スピリチュアルに思う方もいらっしゃるかもしれませんが、とても実践的で説得力のあるアプローチです。筆者の聖菜さんはとっても美しく、まるで陶器のようなお肌!なのですが、こんな風に捉え、見つめていたら美しくなるだろうなあ...と思うほど(彼女のようになれるかはわからないけどw )、自分自身をうまくコントロールする秘訣が詰まっている本でした。

何かにつけて不満をいいがち、肌荒れや体型が気になる、鏡を見るのが苦手、という方には特にお手にとってみていただきたい一冊です!

 

「原因と結果の法則」ジェームズ・アレン

 いわゆる自己啓発本なのですが、これまで読んだどの自己啓発本よりも断定的で、ジェームズアレンには見えないものが見えていたんだろうな、とちょっと霊的なものを感じました。

「宇宙はつねに公平」

「喜びは正しい思いの結果であり、苦悩は誤った思いの結果」

とし、気高く生きること、努力し続けること、穏やかでいること。それらが大切であるということはほとんど誰でもアグリー(agree)だと思いますが、改めてこの本を通して考えてみると、できていないこと、継続できていないことがあるなと痛感しました。

ジェームズアレンがどんな人だったか、にも興味が湧きましたが、残念ながら彼に関する情報はほとんど残されていないんだそうです。しなしながらお父様の事業失敗やそれによる中学退学など辛い過去から、彼自身が体験した全てが詰まっているのだろうと思いました。

何度も読み返すべき本だと思います。

 

「おもかげ」浅田次郎

 これはYouTubeでは話していない本です。(収録時はまだ読んでいる途中でした)

大好きな浅田次郎さんの最新作です。おもかげ。もう最初から泣いてしまいました。最初は全然何も話が展開していないのに、なんでしょうね。きっと主人公には苦労があって、頑張って頑張って頑張ってきた人だったんだろうという予兆があって、胸がキュッとなったんです。たった数ページでその雰囲気を味わさせる浅田さんの文才。さすがだな〜と思いながら読み進めました。主人公は親を知らず施設で育った65歳の男性。定年パーティの夜に電車の中で倒れ意識不明の重体になってしまいます。そこから始まる不思議な体験。

「あなたはよくがんばったわ」

というセリフが何度か出てきます。「がんばったね」「よくがんばった」こう人から言われるだけでホロっときてしまう人は、きっと本当に歯を食いしばって走り続けてきた証拠。この御時世、みんなそうだと思います。未曾有の中よくがんばっている。主人公とは全く違うシチュエーションだけれども、このセリフに何度もグッときてぽろっとした私。

また、誰しも何かしら親とのしこりがあるものなんだろうなと思いました。昨年読んだ本に、本田健さんの「30才でしたい17のこと」という本があるのですが、その中に「親と和解する」という章があります。読むと確かになあと納得なのですが、誰でも必ず少なからず親への思いがあってしがらみがあってしこりとなっていることがある。それは認めてもらいたかったとか愛されたかったとか、もっと自由にして欲しかったとか、親自身が人生を楽しんで欲しかったとか、色々です。でも根底には「ありがとう」って素直に言いたいんじゃないかなと思うのです。

「おもかげ」の主人公は顔くらい知っておきたかった、恨むべき相手も知らないなんて、と度々述べていますが、最後にその思いがしこりが溶けていく...。

現実にはそんな綺麗にガラッと気持ちは変わらないのかもしれないけど、でも子供っていつまで経っても親が気になるし、親をそして自分を正当化できる理由を探しているような気がします。

そしてもうひとつ。

今日も悲しい事件がありましたが、

 一人でお産をすること。その後死亡させてしまうほど追いつめられること。親になりきれず虐待してしまうこと。物質的に豊かになった今でも昔と変わらず、存在しますよね。

これは個人の問題ではなく、社会の問題です。母も子も、明るい未来に向かっていける方法がある、そしてそれを知っている、選択できる社会であるべきだと感じました。小説の中のお母さんは一生懸命考えてそれを選択してくれた。それがどれだけ勇気のいることだったのか、主人公に響いたからこそ許すことができたのでしょう。

私もちょうど1年ほど前、初めての出産を経験したので、どれだけお産が怖くて痛くて奇跡で、産後どれだけ辛くて痛くて不安だったか想像すると、涙が止まりませんでした。

いろんな涙が流れた作品「おもかげ」。ぜひ、みなさんにもお手にとっていただきたいです!

 

さいごに

とまあ、つらつらと感想とともにご紹介させていただきました。いかがでしたか?

書店に行くとついつい5冊は買ってしまう私。なぜか図書館で借りるより読み進められるし、部屋にお気に入りの本があると心が落ち着くから不思議。本は心の友と言いますが本当にそうだなと感じる今日この頃です。

著作権の関係で限られた話にはなりますが、YouTubeで読み聞かせもしています。

www.youtube.com

ご興味ある方はぜひ聴いてみてください!

 

それでは今日はこの辺で。またお会いしましょう!さようなら。