「相手に伝えるということが、こんなにも難しいことだとは思いませんでした」
「難しいと思うなよ。めんどくさいと思えばいい」
昨日の師匠との会話です。
週に一度、ナレーションのレッスンを受けて今年で4年目になります。途中お休みした期間があるので丸2年半ほど習っていることになります。
もともとナレーションは得意な方だと思っていたし、めんどくさがりやな私にとって自分のメンテナンスさえしておけば、どこに行っても何の道具を持たなくてもできる仕事はとても魅力的でした。災害時にも自分の声さえ出る状態だったら読み聞かせができる(身一つで提供できるスキルがある)し、俳優と違って見られる職業じゃないから必要以上に見た目に気を遣わなくてもいいし、原稿だって暗記する必要はない。人事の仕事のように四六時中会社や社員のことを考えなくてもいいし、プロジェクトごとにメンバーが集まり作品を仕上げ、完成したら「それじゃまた!」と別れられるさっぱり感は人疲れしやすい私にぴったりではないか。そんな不純(?)な動機もあって2年前の今日、個人事業主として開業しました。
でもやればやるほど、「何でこんな単純なことができないのだろう」「どうしてこういう声が出せないのだろう」と壁にぶち当たるばかり。気持ちばかりが焦って負のルーブに陥った時期もありました。
最近も土台を固めようと初心に戻ってトレーニングしているのですが、どこか甘い自分がいたりして師匠の言う言葉の意味が、本当の意味で理解しきれず心の中で逆ギレしたり。笑
でも真剣に聞いて丁寧に鍛錬すると、少し具体的に見えて来るものがあって、そうすると師匠の言う事がスーッと心の中に響いてきて。
結局「わからない」のではなく、真剣に向き合いきれていないんですよね。という小学生でもわかるようなことを、31歳の私はひしひしと痛感しているのであります。
師匠と出会って2年半。色々なことを教わってきたけどどれも中途半端だったことに気づかされ、ショックを受けたのが昨年で、やっと具体的な景色が見えてきたのが最近。
あぁ、なんてバカなんだろう私
と言う思いと、
いやまだここで気がつけて良かったじゃないか
と言う思いが混在しています。
そして出てきた言葉が
「(ナレーションが)こんなに難しいと思わなかった」
でした。
それに対して笑いながら、
「難しいんじゃない。めんどくさいんだ」
と返してくれた師匠。
私の中でスーッと溶け込んできました。
そうか。めんどくさいんだ。そうだ。めんどくさいんだ!
だって、毎日毎日同じことを繰り返すんですよ。「アイウエオ」から始まって、ひたすら「相手に言う」を染み込ませる。身体に馴染んだと思ったらそうでもないことをレッスンのたびに直面する。1歩進んで0.9歩下がって、少しずつしか上達しない。それを永遠に続けるのです。
「難しいと捉えると頭でっかちになって身体に力が入ってしまうからね。めんどくせ〜くらいで丁度いいんだよ」
師匠の言葉を胸に今日も鍛錬を続ける私です。
そんな中、たまたまこんなツイートを見かけました。
元気でるわ... https://t.co/9mZ5q4GaSG
— Rumy (@rrumindaa) 2021年1月22日
かの宮崎駿監督も同じようなことを呟いていました。
世の中の大事なことは大抵めんどくさいんだよ
めんどくさいっていう自分との戦いなんだよ
なんだか勇気をもらった私。
めんどくせ〜〜〜!!!
と思いつつ、大事なことに向き合っている証拠だと思って、大事に積み重ねて行こうと改めて思いました。
仕事は違えど、同じような局面の方もいらっしゃると思います。
仕事だけでなく、恋愛とか結婚生活も同じだと思います。
難しいんじゃない。めんどくさいんだ。
愛の言葉を紡ぐのだって、何かを伝えて理解してもらうことだって、大抵は難しくない。めんどくさいんです。そのめんどくさいことをどれだけ丁寧にやるかで、その後の二人は変わってきますよね。
それと同じだな〜と思ったのでした。
めんどくさい。めんどくさい。
でも、大事なことだから。それが全てだから。
ブツブツ言いながら、やっていきましょう。
それでは今日はこの辺で。みなさん良い週末をお送りください。
また次回お会いしましょう。さようなら!